って、そんなことよりも気になるのはこの子だ。
片手に風船を持ち、わんわん声をあげて泣く女の子。
「どうしたの?何で泣いてるの?」
アーラが危害を加えた、とかじゃなきゃいいんだけど。
ドキドキしながら問いただした。
すると女の子は涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、
「ママとパパがいなくなったの」
小さい声でそう答えてくれた。
あぁ、良かった。
ということは、ただの迷子ってことだね。
てっきり……アーラが何かしたのかと思ったよ。
「どこではぐれたの?お姉ちゃんと一緒にママを探そう?」
「あのね、向こうのトイレでね……」
女の子から状況を聞いていると、偶然にも両親が血相を変えて走り寄って来た。
無事に女の子は両親と再会できて、なんとか事なきを得たんだけど……。
アーラの視線が冷たい。
ってゆうか、なんか呆れてる感じ?
「……どうしたの?」
「何で見知らぬ人間に優しくする?」

