「じょ、じょじょじょ上級悪魔……?あわ、あわわわ……」



背中しか見えないから表情は分からないけど、かなり焦っていることが伝わってくる。

彼の身体もまた、小刻みに震えていた。



悪魔は実在する。

なんて断言した本人でさえも、まさか本当に悪魔が現れるだなんて思ってなかったんだろう。



「お前の願いを叶えてやろう」



逃げなきゃ……とは思っても、思うように体が動かない。



怖い。

足がガクガク震える。



やばい……これはやばいよ次咲くん。

絶対的に逃げなきゃヤバイよ!



「どうした。さぁ、言えよ」



悪魔の低い声が校庭に響く。



「ひっ……あっ、は、はいっ。その……」



次咲くんは変な声を上げ、びくりと肩を揺らし顔を上げた。



そしてぶるぶる体を震わせながら、

「僕をイジメている奴らを……不幸にして下さい!」

強くはっきりと、そう言った。