悪魔くんとナイショで同居しています





わ……。

なんか今のセリフ、彼氏っぽい。



って、彼氏なんて出来たことがないんだけどね。

実際に彼氏がいたら……こうやって通学を共にしたりなんかして。

不意な仕草や言葉にドキドキしちゃうんだろうなぁ。



「あっ、うん。ごめんね、ぼーっとしてた!」

「とろくさいんだよお前は」



アーラが悪魔じゃなければなぁ。

超がつくほど美形だし。



それに今は仮にも付き合ってる関係だ。

彼が人間だったら、普通に恋愛が出来たんだろうな。



って、人間だったらアーラのようなイケメンが……私みたいな地味な女を選ぶはずがないか。



でも…休日はデートしたりとかさ。

手を繋いだり、クレープ食べたり、遊園地行ったりとか。

一度でいいから、私もそんな甘い経験してみたかったなぁ。



「あっ……そうだ!」



それだよ、それ!

こうなったら……もうアーラで良いじゃんっ。



死ぬ前にやってみたいこと、デートを経験しようじゃないか!

それなら仲良くもなれるかもしれないし、一石二鳥じゃない?



「何?急にどうした?」



ほらっ。

見た目は普通の男の子なんだしさ、名案じゃんか。

しかも超絶イケメンとくれば、逆にラッキーだと思わなきゃっ。