「お前を殺す事実は何があっても変えられない。俺は魔界においてトップに立つ身だ。みすみすルールを犯すわけにはいかないんだよ」

「そんなぁ……」

「悪いけど、お前の願いは叶えてやれないな。すぐに殺さないだけ、ありがたいと思えよ」



じゃあやっぱり私は……

死ぬしかないってこと?



「あと二重契約は出来ないんだ。それもルールだからな。だからどのみち、お前と契約は出来ない」



アーラを撃退する方法もない。

懇願しても響かない。

契約も出来ない。



そんなことってないよ……。

受け入れられるわけないじゃん。



嫌だ、絶対に嫌だ。

こんなところで人生を終わらせたくない。



そう……アーラに泣いてすがりつきたかったけど出来なかった。

彼が、氷のように冷たい眼をしていたから。



「じゃあせめて……アーラが魔界に帰るその時までは生かしておいて欲しい……」

「それならいいだろう。お前が妙なことをしない限りはな」



諦めない……。

それでもやっぱり生きることを諦めきれない。



アーラに貰った少しの時間で考えなきゃ。

なんとしてでも私は生きる。