意気込んで帰宅したはいいけど……。

どう切り出せばいいのかな。



いつものようにベッドに寝転がり、漫画を眺めるアーラに声をかけられない。



ドライヤーで髪を乾かしてから話しかけよう。

から始まり……

やっぱりこのドラマが終わってからにしよう。



てな具合でタイミングを伸ばして伸ばして……。

そろそろ寝る時間なんだけど、それでもまだ言えないでいた。



「今日は珍しく夜更しだな」

「あぁ……そ、そだね!」



アーラは、何でベッドに入らないんだって顔をしている。



「それに、やけに口数が少ないな」

「え?そ、そうかなぁ?」



コイツ何を考えているんだ?

そう言わんばかりの表情で見つめてくる。



うぅぅ。

やっぱり……言うしかないか?



「あのね……アーラ」

「なに?」



目が合った。

緊張が一気に増してくる。

おまけに手汗までかいてきた。



「私とも……契約を結んで下さい」