「何がおかしいの……?私はっ、ずっと黒羽くんが好きだったのに!」



柏崎さんがわっと泣き始めた。



「奏っ!何へらへら笑ってんのよ!自分が何してるか分かってるの?!」

「そうだよ!奏ちゃんがそんなに酷い子だったなんて!」

「柏崎さんがかわいそうだよ!」



すすり泣く柏崎さんの背中をさすりながら、紗千を含むクラスメートの女子達が声を荒げた。



もぅ、泣きたいのはこっちだよ……。

何をどうしたって悪者にしかならないんだから。



「何で奏が泣きそうな顔してんだよ!被害者はこっちだっつーの!」



私だって被害者なんだから……。

アーラは悪魔だもん。

誰にもそれを教えられないけど、恐ろしい悪魔だもん。



「もう行こう、柏崎さん。アンタなんか死ねばいいのに!嘘つき女!」



紗千の非情な言葉が胸に突き刺さった。



紗千は私の親友なのに。

今でも私はそう思っているのに……。



ねぇなんで?

なんでこんなことになっちゃったんだろう。



いつから歯車が狂ってしまったのかな。