ぶーぶー文句をいう彰を、宥めつつからかい出す3人に、俺はいつもの調子でふっと笑った。



変わった、と言われれば、もしかしたらそうなのかもしれない。


以前ならこんなふうにいちいち笑ったりしなかった。



麻由と一緒にいるとき、あいつは俺の隣でよく笑っている。


些細なことで嬉しそうに目を細めたり、楽しそうに笑ったり。

恥ずかしがりながら照れ笑いしているのが一番多いけど、それがまた可愛いから困る。


そんな表情をずっと見てると、こっちにまでうつっちまうんだよな。


意識していなくても、あいつが笑っていると俺も笑える。



…おかしいな、ほんと、こんなキャラじゃねーはずなんだけど。



きらきら笑う彼女の顔を思い出して、俺はなんだか無性に気恥ずかしくなって紛らわすように首筋をさすった。





あー…、なんかあいつに会いたい。



考え出すと気持ちが急速に膨らんでいく。




今日だってどうせバイト帰りに会えるけど、待てない。



学校まで行くか……、いや、もうこの時間は学校にはいないか。バイト行く途中かな。


頭悪ィな、俺。なんで行きも送るって言わなかったんだろ。



会いたすぎて気分がむしゃくしゃしてくる。


喫煙者が禁煙中に感じる禁断症状と同じ感じだ。


確かに。全然我慢できねーな、これ。


自嘲気味に笑い、気分を紛らわすために日曜の予定を考えることにした。