桜の花びらが、ピヨピヨと跳ねる前髪に挟まっている。 ふぅっ、ふーっ! あ、やっと落ちた。 遠くにいるポニーテールの女の子に向かって、私は空気を切るぐらい大きな声で叫ぶ。 「まってーっ!柚希ちゃんっ!」 隣で苦笑いを浮かべるお母さんは、私の頭にポンと黄色の帽子を被せて、笑う。 「行っておいで、夏仍」 桜の雨が降る。 青い空から、パラパラと白い花びらが落ちてくる。 ふんわりとしたお花の匂い。先っぽが、緩くまきまきになっているお母さん。 私は目を輝かせて、笑顔でうなずいた。 「うんっ!」