「毎晩毎晩あいつは隠れて泣いていた。俺は何も言えなかった。」
私が瑞稀の両親の話を聞いた時と一緒だ。
何も、言えない。
何を言っていいかわからないのだ
「俺の前ではいつも強がって笑ってた。目の下にはクマができているのにな。」
余命1年と宣告された気持ちは私には想像もつかないことだけど
毎晩眠れないのは当然だと思う
「あの時俺は中3だったから受験勉強にも追われてあいつとゆっくり話すこともなかなか出来なかった」
シュウくんは目を閉じた
「でもある日、アイツは俺に言ったんだ。『絶対合格しようね』って。」
1年しか生きれない。
それは高校にも行けるかどうかのギリギリライン

