家に帰ると、お母さんが珍しく起きていた。 「お母さん?」 「おかえり。桜」 「どうしたの?こんな夜中に……」 「ん?桜が、なにか思い悩んでるんじゃないかと思って」 「そんなこと………」 "ない" 言葉が喉に引っかかる。 「あるんでしょう?ほら、座りなさい」 そんな私を、お母さんは優しい笑顔で迎えてくれた。