そんな気持ちを誤魔化すように
「つ、次はパフェ食べに行きましょうね」
なんて笑顔を作れば、大和さんは困ったように笑ってた。
「それは勘弁だな」
「……お、美味しいですよ?」
「………まぁお前が行きたいならそれでもいい。」
了承をもらえたことで自然に笑顔になる。大和さんはすごい。私のことをすぐに幸せにしてくれるから。
「それじゃあ…本当にありがとうございました!」
「ああ……またな」
今度こそ本当にさよならをして、私は歩き出した。少し進んで後ろをチラリと見れば、心配そうにこちらを見ている大和さん。
本当に優しい人だ。
曲がり角を曲がったところで、抑えられない気持ちに思わず足が速くなっていく。
いけない
いけない
いけない
そう思ったって無駄なこと。
大和さんの笑顔が頭の中で、花を咲かせながらくるくる回っているもの。
体力がないせいで、すぐに息が切れた。なので壁にもたれながらハァハァとそれを整える。
…無理だよ…亜紀ちゃん……
私、この気持ちをどう制御すればいいのかわからない。
こんなことを彼女に言ってしまえば、また心配をかけてしまうだろうから心の中で思うだけ。
ついつい緩む顔の止め方すらいまはわからなくて、熱くなるばかりの身体を落ち着かせた。
親友の言葉を忘れたわけじゃない。
自分が警察一家の娘だということも。
だけどそれでも、もうきっとこの”好き”は止められない。
どんなに傷付くことになったとしても。