図々しかったかなと、言ってから思ってしまった。大和さんは、親友…… なんてポツリと呟くと私と目を合わせる。
「親友というより愛犬だろ。」
「あ、あ、愛犬!!?」
やっぱりペット扱いなんだ…と衝撃を受けてしまったけれど、それでも大和さんみたいな優しい人の愛犬なら幸せなんじゃないかな。
「なんだよ。不満か?」
「い、いえ、大和さんなら愛犬でも嬉しいですっ!」
私の言葉に彼は目を見開くと、楽しそうに笑った。
それがたまらなく嬉しくて、いまこの時間が幸せで、頭の中にある色んな障害が全て忘れ去られていく。
「……変な奴……」
心がどんどん持って行かれる。
ブレーキが効かず怖いくらいに……。
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クレープを食べた後は、少しだけお話ししてブラブラと街中を歩いた。時間というものは、楽しければあっという間に過ぎていき、私は帰らなければならない時間に。
「今日は本当にありがとうございました。」
ぺこりと頭を下げたら大和さんは、クスッと笑う
「…送っていかなくてもいいのか?帰れるか?」
「だ、大丈夫です!!」
「転ぶなよ?」
「も、もちろん!」
再び頭を下げて、彼に背中を向けると妙に悲しい気持ちに襲われた。楽しかった……よく笑ってくれて、面倒見てもらって……
自然にピタリと足が止まれば、背中から
「どうかしたか?」
なんて声が聞こえる。なのでクルッと振り向いて叫んだ
「ま、また、誘ってもいいですか!!?」
自分の中では精一杯頑張ったつもり。
顔はみるみるうちに熱を帯びていくし、胸はドキドキしてる。
断られたらどうしよう。と恐る恐る彼の顔を見たほんの一瞬。
その一瞬で、私の心臓は鷲掴みされたのだ。
だって……今日一番の笑顔を向けてくれたから。
「……お前と遊ぶのは苦じゃない。むしろ…楽しかった……俺もまた連絡する」
……好きになる
知れば知るほど。好きになっちゃうよ。
どうしても止まらない。
これはいけない気持ちなのに。

