ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
キンコンカーンコーン
今日の終わりのチャイムは特別だ。
だって、いまから大和さんに会えるのだから。
しっかりノートも取れたし、上出来だと全てをカバンにしまって亜紀ちゃんの元へ。
「亜紀ちゃん!校門まで一緒にいこ!」
私の明るい声に彼女はジトッとした視線を向けると、気だるそうに立ち上がって
「はいはい」
と椅子を片付けた。
顔にはっきりと 心配だ と書かれてる……。
「わ、私はいつものイチゴスペシャルにしようかなぁ……」
「…ほら、転ぶわよ。前向いて歩いて。真子」
「は、はーい。」
大和さんと何話せばいいんだろう……緊張してきた。心配してくれてる亜紀ちゃんの横でこんなこと考えるなんて、不謹慎かな……
靴を履き替えて校門の方に歩くと、女の子達がひそひそと話している。
「誰だろう?」
「かっこいいね」
一体何してるんだろうとそちらに目を奪われていると
「……!!」
亜紀ちゃんが驚いたように私の肩を揺らした
「どうしたの?亜紀ちゃん」
「真子……あんた学校で待ち合わせしたの!?」
「あ、そ、そうだ言ってくれてありがとう。浮かれてて忘れてた。大和さんからの連絡見ないと」
「そうじゃなくて!!あれ!!」
キラリと輝く金色の髪は、何度見たって綺麗で目を奪われる。
…大和さんがいる……
「ま、まさか迎えに来るなんて…って真子!?」
つい足が動いて走ってしまった。
だってどうしても彼が来てくれて嬉しいという衝動を抑えられなかったから。
「大和さん…っ!!」
名前を呼ぶとこちらを向いた彼が目を見開く。
迷いなく走ったせいで、突進する形になった私を大和さんが軽々と受け止めた。
「…お前は猪か。」
「は、はい…ご、ごめんなさい」
また助けてもらってしまったと、顔が熱くなっていく。勢いできて走ったけど、胸の中にダイブしてしまったよ……ど、どうしよう
ドキドキドキドキドキドキ
と心臓の激しい音
ゆっくり私の体勢を立て直した大和さんはやっぱりカッコよくて、また更に心臓がスピードを上げてきた。
「ややややややややまとさささんど、どどどうしててて」
「……とりあえず落ち着け」
私の動揺にクスッと笑った彼は、すぐに冷静さを取り戻しそんなことを言う。
…し、深呼吸だ。
スーハーと落ち着くために息を吸ったり吐いたりすると、自然とドキドキのリズムが落ち着いてきた。まぁそれでも速いほうだけど。
「大和さん…どうしたんですか?」
「…銀がまた迎えに来やがったから…巻いてきた。お前に会うなんて言ったらまたうるせぇだろ?」
追いかけられてたというのに、わざわざ来てくれたんだ……なんだかそれだけで胸がいっぱい。
すっかり自分の世界に入ったところで、足音がしてハッとする。
「…こんにちは。真子の親友です」
……心なしか亜紀ちゃんの顔が怖い……

