新春、寒さで震えながらも新しい年に思いを馳せる人たちが集まってきた。



私はそんな人ごみの中から一人の少年を探していた。




「どこ…どこ〜?」




この時間だったよね?



私は彼からもらった手紙を広げ、時間を確認する。




午後3時………うん、あってる!




「……じゃあまだ来てないのかな…」



しゅん、と項垂れながらため息をつく。




と、急に視界が暗くなった。




「へっ、え?!なに!?」




「話しかける前に気付けバカ」



上から降ってきた声は。



この、声は。




「蓮巳くん!!」



ばっ、と目元にかかっていた彼の手をはずして上を向く。



「…遅い」



と、少し拗ねたような蓮巳くんが私を見下ろしていた。






蓮巳くん。




彼は、私の想い人。




一昨年の今日、初詣に来ていた彼に一目惚れをした私。





あの時、勇気を出して声をかけてよかった。




最初は警戒していた彼だったけど、その後もちょくちょく会いに来る私に根負けしたようで。




気を許してくれるようになって、気がつけば。






「ごめんね?人が多くて…」



「別に」




「俺が見つけられたから、いいよ」




彼はそういって少しだけ頬を染めた。






蓮巳くんは、今ではもう、私の隣で笑ってくれる、素敵な彼氏。




「そっか。…じゃあ、行こう?」



「…ん」














……………でも。