「あら?」
いつもの帰り道。
金曜日の今日は学校が早く終わる。
普通なら友達と遅くまで話し込んで帰るのだが、生憎と、今日は友達がバイトだった。
部活に勤しむ生徒達が教室を使うので、そのまま学校にいても迷惑になってしまう。
仕方ないので、1人いつもの道を歩いていた。
そんなとき、ふと目に止まった細い道。
「………こんなところ、あったかしら…」
いつも通っているはずの道。
なのに、記憶にない道。
けれど、違うものがあった記憶もない。
……………気が付かなかっただけ…かな?
けれど。
少し、いやかなり気になってしまった。
「……好奇心は猫をも殺す」
小さい頃おばあちゃんに言われた言葉。
おばあちゃんの家の近くには、いつも綺麗な花が咲いていた。
それに引かれて触れてみたら、その花には棘があった。
昔からそういったことで怪我が耐えなかった私に、おばあちゃんは苦笑しながらそう言ったのだ。
……………でも。
「少し、だけ……」
私は1歩、その道に近づいた。
少し、ほんの少しだけ。
この先に何があるのか確かめて、そうしたらすぐに帰るから。
ワクワクした、子供の頃の気持ちを思い出して頬が緩む。
私は、ふわふわと浮き上がる好奇心に動かされるように、小道を進んでいった。