君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】




「姉ちゃん!」


「……あれ。亜紀、今日部活は?」


今の時間帯だと中学生が帰るにはまだ早いんじゃないか?


「今日は教室点検の関係で部活はなしになったの。それで歩いてたら2人が見えたから」


「そうだったんだ……」


「3人で帰るの、久し振りだな!」


「そうね。類と会うのは先週ぶりかしら」


亜紀は俺の頭に手を乗せてくしゃくしゃと撫でまわす。


誰かにこうして頭を撫でられるのは滅多にないから、少しくすぐったい気持ちになる。


「ねー、今日は何の勉強した?俺と類は作文の宿題出されて何書こうか今話してたんだ」


「国語に数学、音楽に体育。色々やったわよ」


「俺、ずっと体育やってたいな」


「私は運動苦手だから嫌だわ」


亜紀と伊織がリズムよくぽんぽん会話する姿を半歩後ろから見るのが、好きだ。


この位置は俺の特等席だと密かに思ってる。


仲がいい2人を近くで見ていられるのは楽しいし、俺も幸せだから。


「類、話聞いてる?」


「あ、もしかして学校に忘れ物しちゃった?」


「そういうどっかの誰かさんみたいなこと類はしないよ」


「ごめんボーっとしてた。何の話だっけ」