そこにアークの姿があった。

先程まで編んでいた髪をほどくと、彼が身に纏っていた衣は黄金色に変わる。

月明かりと同じように、彼は静かでもの悲しそうな光に包まれていた。

そんなアークは、先程出会った少年のことを考えていた。

肌の色はアークと同じように透き通るように白く、逆に髪の色はアークが金に対し、少年は闇を思わせるほど深い黒。

そして、瞳の色はアークがエメラルド色で、少年が紫。

「あんな眼は初めて見た」

アークは嬉しそうにつぶやく。

彼は少年との再会を予感していた。いや、確信していた。

いままで動くことのなかったアークの歯車が今日動き出したのだ。

星の数ほどの年月を経てようやく巡り会えた少年。

アークは夜空を見上げた。

夜空の星はただ輝く。

だが、その光は過去のもの……。

過去、現在、未来……。

現在の光を、未来の光を人間が見ることが出来るかどうか……それはこのふたりにかかっていた。