「あんの、バカ……」
真っ赤になりながら低い声でつぶやくあたしを、燿は教室の外で、涼しい顔して愉快そうに眺めている。
「いいよ、柑奈。あたし達の約束なんて気にしないでいいから、茅原弟の元へ行っておいで」
「そうそう。あたしも彩音も、柑奈が友情より男とったからって、気にしないし」
楽しげににやにや笑いながら、彩音と奈津があたしの両肩にそれぞれ手をのせる。
「行ってらっしゃい」
どう考えても面白がってるようにしか思えないふたりに背中をドンと押されて、あたしは仕方なく燿の元へと向かった。
燿のほうに歩くあたしを、クラスメート達がにやにや笑いながら見ている気がして、恥ずかしくて仕方ない。
「早く行くよ!」
涼しげな表情で立っている燿の腕をつかんで、一刻も早くその場を立ち去ろうとしたら、響が教室から出てきた。
「燿、お前、一応俺の弟なんだから、人のクラスであんまり恥ずかしいことすんなよな」



