「ふたりとも、ふわーっとしてて可愛い感じだったよ。柑奈とは違うタイプっていうか。柑奈、響のこと小さいときから好きなんでしょ?今まで何見てたの?まぁ、クラスとか違うとわかんないよね。響、付き合ってるとかあんまり周りに言うタイプじゃないし」

燿の言葉が、さらにグサッと胸に突き刺さる。

ふわーっとした可愛いタイプだったんだ。ふたりとも……

同じ学校の子だったのかなぁ。

あたしが知ってる子……?

暗い表情を浮かべるあたしを見て、燿が楽しそうに笑う。


「あ、落ち込んでる」

「うるさい!だってあたし小さいときからずっと……」

響が初恋で、響だけ好きだったんだもん。

つい自分から白状しかけたあたしの唇に、燿がそっと人差し指をあてて悪戯っぽく瞳を揺らす。

なんか、ふられた瞬間以上にいろいろショックで泣きそう。

それなのに、燿は落ち込むあたしなんておかまいなしで楽しそうに話し続ける。


「でも、勘違いしちゃう気持ちもわかるかも。自分の兄貴ながら、響って誰にでも優しいもんねー。でも、響が『幼なじみの柑奈』じゃなくて『幼なじみの梨里』を好きになる可能性とかは考えなかったわけ?」

「どういうこと?」