響と梨里が付き合ってることを、燿の口から知らされたときと同じだ。
響と燿とあたしと梨里。
4人で幼なじみで、4人で一緒にいるつもりだったのに……
そう思ってたのはきっと、あたしだけ。
幼なじみの関係は、ずっと響と燿と梨里の三角で、最初からそこにあたしはいなかったのかも。
なんか、むなしい。
ため息をついて、ベンチから50センチほど先に設置されている四角いゴミ箱に向かって空き缶を投げる。
だけど、それはゴミ箱の角にぶつかって、跳ね返ってしまった。
ゴミ箱から離れてころころと転がっていく空き缶を視線で追いながら、さっきより深いため息をつく。
そのまま放置もできないから、ベンチから立ち上がって転がった空き缶を追いかけた。
通路の端っこまでいってしまった缶をようやく捕まえて、腰を屈める。
ゆっくりと顔をあげようとしたとき、足元に人陰が見えてドキッとした。



