「あいつら、この近くのジェラート屋の前にいるっぽい」
「そうなんだ」
あたしが響との過酷な絶叫マシンツアーをしてる間に、のんびりジェラート食べてたなんて。
梨里と燿を若干恨めしく思いながら、ふたりがいるジェラート屋を探す。
5分ほど歩くとそれは見つかって、ふたりは店の前のテラス席に並んで腰掛けていた。
まだ、あたし達に気付いていないふたりは、仲良さそうにじゃれあっている。
何かを言い合って笑ったあと、梨里が燿の食べかけていたジェラートにスプーンを持った手を伸ばして、そこからひとくち掬い取る。
燿から奪い取ったジェラートを、幸せそうな顔で食べている梨里。
そんな梨里を呆れ顔で見つめる燿の目は、とても優しい。
梨里は、響と付き合ってるんだよね……?
遊園地に来る途中、並んで歩く梨里と響は仲良さそうで、よく似合ってた。
だけどそれに負けないくらい、梨里と燿も遠目から見ていてお似合いだ。



