オレンジ・ドロップ



高速走行するジェットコースターのあとは、フリーホールやら、ウォータースライダーやら。

響に引っ張られるままに、この遊園地にある絶叫マシンという絶叫マシンに連続で乗せられた。

基本乗り物酔いはしないし、絶叫系大好きなあたしだったけど、さすがに連続で休みなく乗せられると若干気分が悪くなってくる。

歩きながらぐったりしているあたしの隣で、同じようにアトラクションに乗っている響はものすごく元気だった。


「あー、楽しかった」

満足げに笑う響の横で無言になっていると、それに気付いた響が立ち止まった。


「あ、ごめん。連れ回し過ぎた?昼メシも近いし、そろそろ梨里たちのとこ戻るか」

「そうだね」

ようやく休憩できる。

ほっと息をつくあたしの横で、響が電話をかけ始める。

かけたのは梨里か燿みたいで、ふたりの居場所を聞いてから響は電話を切った。