「じゃぁ、今度の日曜日、俺ら4人でダブルデートしよ」
「は?」
あたしの言葉が聞こえなかったんだろうか。
どうしてダブルデート?
あたし、付き合わないって言ったんだけど。
「忘れずに予定空けとけよ」
響が呆然とするあたしの肩をどんっと力強く叩く。
「痛い……」
肩を抑えるあたしを見てにやりと悪戯っぽく笑うと、響はクラスの友達の輪の中へと戻って行ってしまった。
「柑奈、ダブルデートって何?」
彩音と奈津がにやにやしながら両サイドからあたしに近付いてくる。
「昨日、茅原の弟とは何かあった?」
彩音に訊ねられて、あたしを見下ろす燿の不敵な笑みを思い出す。
自然と熱くなった頬を抑えたあたしに、奈津がささやいた。
「その顔、何かあったんだ?茅原兄から弟に乗り換えるの?」
揶揄い口調で言われて、カッと頭に血がのぼる。
「そんなんじゃないから!」



