「いいじゃん」と言った響が本気でそう思ってるみたいだったから、ちょっと傷付いた。
あたし、一応最近響に告白して振られたばっかりなんだけどな。
振られてダメだったから燿に…みたいに思われてたら嫌だと思ったけど。響はそんな考えすら持ちあわせてはいないらしい。
勇気を振り絞ったあたしの告白を、響はそこまで深くは受け止めてくれていなかったんだ。
ずっと好きだったんだけどな……
そんなこと思ったってどうにもならないけど、やっぱり悲しい。
「それより……響の彼女って梨里だったんだね。教えてくれたらよかったのに」
「いや。俺は付き合ってること学校中に触れ回ってもいいくらいの気持ちはあるんだけど、梨里が柑奈も含めてあんまり人にはバラしたくないって言うから」
「へぇ……」
それは、梨里のあたしに対する気遣いだったのかもしれない。
「それで?燿とは付き合うの?」
「付き合わないよ」
そりゃあ、燿の態度には少し…というか、結構ドキドキさせられたけど。
でもだからって、そんなすぐに響から燿に…なんてことできないもん。
「ふーん」
即答すると、響が不服そうな顔で黙り込む。
だけどしばらくすると、何か楽しいことでも思いついたのかぱっと目を輝かせた。



