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「柑奈。おはよう」
教室に入って席に着くと、友達グループと話していた響がその輪を抜けてあたしのほうに近づいてきた。
いつもだったら登校してくるとすぐに歩み寄ってきてくれる彩音と奈津を差し置いて、響が机を挟んであたしと向かい合うように立つ。
そのままトンと机に片手をついて、あたしににこっと笑いかけてくる響はいつになく上機嫌だ。
「お、おはよう。どうしたの?」
梨里と一緒に学校に来たから機嫌がいいのかな。
そんな気もするけど、それだけじゃないような……
わざわざ友達グループから抜けてまであたしのところに来るなんて、何だか嫌な予感がする。
「柑奈さ、燿と急激にいい感じなんだって?」
響がにやりと笑いながら顔を寄せてくるから、ドギマギして反応に困る。
「べ、別にそんなんじゃ……」
「え、何で?いいじゃん」
あたしが否定的な反応をしたのが不満だったのか、響がほんの少し眉を顰めた。



