オレンジ・ドロップ



響と付き合ってても梨里のことは妹として普通に大好きだし。

軽蔑されたらどうしよう。

それに、今見たことを響に話したりしたらどうしよう……

ちょっと前に響に告白したばっかりなのに、結局誰でもいいのかよって思われるかも。


「もう、燿のバカ!」

燿の胸に軽くグーパンチを食らわしながら、燿の上を急いで降りる。


「そんなの、全然効かないけど」

燿が笑って、あたしの拳を左手でつかむ。

次の瞬間、ものすごい勢いで身体の向きが反転した。

あれ?っと思ったときには、背中が床についていて、見下ろしていたはずの燿の向こうに部屋の天井が見える。

状況が飲み込めないまま瞬きするあたしを見下ろして、燿が悪戯っぽく唇の端を引き上げた。


「形勢逆転」

そう言われて、今度はあたしが燿に跨られてるんだと気付く。


「ちょっと、何すんの?」

足をジタバタ動かすと、燿が拘束するみたいに上から両手を抑えて、あたしの身体にちょっと体重を乗せた。

それで、身体の自由が効かなくなる。