「ありがとう。でも、これどうして……」
「柑奈、なかなか戻ってこないから気になって」
あたしが貧血で倒れたって聞いてわざわざ持ってきてくれたんだよね。
そんなことされたら、期待してしまう。
もしかして、振られたのはあたしの夢だったのかな、なんて思ってしまう。
「心配してくれてありがとう」
もらったゼリー飲料を握りしめて、響を上目遣いに見上げる。
「気にすんなよ、幼なじみだろ」
何気ない響の言葉があたしの心に突き刺さる。
そっか。そうだよね……
心配してくれたのは幼なじみだから。
やっぱり、あたし振られたんだよね。
じわりと涙が浮かびそうになって、手元のゼリーに視線を落とす。
「ありがとう。でももう大丈夫だから、あたし教室戻るね」
このまま響と話し続けてたら、惨めで泣きそうだ。
俯いて響の横をすり抜けると、滲みかけた涙を手のひらでこっそり拭う。



