オレンジ・ドロップ


はっと気づいて目を覚ますと、ベッドを隠すカーテンの向こうから保健の先生と誰かの話し声がした。

眠る前におでこに載せておいたはずの氷嚢は、顔の横に落ちてしまっている。

すっきりした。どれくらい寝てたんだろう。

ベッドの上で伸びをして、ゆっくりと身体を起こすと、仕切りのカーテンを開く。


「あ、柑奈」

名前を呼ばれてドキリとする。

カーテンの音で振り返ったのは、響だった。

どうしてここに……


「柑奈、貧血だって?大丈夫?」

「あ、うん……」

響を見ると、やっぱりドキドキと胸が高鳴る。

あたしのことを振ったくせに、心配してるみたいな言葉をかけてくれるから余計に。


「昼休みだけど、メシ食えそう?さっき購買でこれ見つけてきたから買ってきた。鉄分入りのやつ」

そう言って笑うと、響があたしに向かって何かをぽんと放り投げてきた。

両手で受け止めたそれは、ぶどう味のゼリー飲料だった。