オレンジ・ドロップ




「だからって、完全に晒し者だよ。あたし、明日からどんな顔して校内歩けばいいの……」


ただでさえ、1年生の燿と一緒に2年の廊下を歩くのは目立つのに。

もがきながら文句を言っていたら、いきなり燿が首筋に噛み付いてきた。

チクリと痛みが走って顔をしかめたら、今度はその場所を唇で強く吸われる。


「ちょっと、何すんのよ!」

経験は乏しいけど、その感触で何をされたのかはすぐにわかった。

痛みを感じた場所に手をあてて勢いよく振り向くと、燿がニヤッと笑って口を開いた。


「マーキング」

「は?」

「だから、マーキング。だって、柑奈が餌付けすんだもん」

「…………」


立ち止まってあたしたちを見る人はいないけど、ちらちらと興味本位な視線は感じる。

燿があたしにしたことの一部始終。

それが同学年の何人かに確実に見られてる。

そう思ったら顔から火が出そうになるくらい恥ずかしくて、ぷるぷると小さく手が震えた。