SHRが終わって解散の号令がかかると、その瞬間に教室後方のドア付近に座っているクラスメートたちがざわつきだした。
「柑奈、柑奈」
響に背中をツンツンと突かれて、振り返る。
その次の瞬間、怖い顔をしてこっちに向かって歩いてくる燿の姿が見えて、ぎょっとした。
あたしの前に仁王立ちになる燿を見上げて、何度も瞬きをする。
クラスメートたちは、突然教室に入ってきた1年生の燿に好奇の眼差しを向けていた。
大勢の人にちらちら、というよりじろじろと見られているのに、燿はそれを気にする様子もなく、あたしだけをじっと見下ろしている。
「燿?」
深刻そうな顔をしている燿の表情を和ませたくて、にこりと笑ってみる。
だけど燿は、笑いかけるあたしを無視して、強い力で唐突にあたしの手首をつかんで引っ張った。
「帰ろう」
「え、うん。そのつもりだけど……」
無愛想な声でひとことそう言って、燿があたしを教室の外に引きずり出す。



