「あのとき、燿は柑奈のこと好きだったんだよ。まぁ、その熱もそのうち冷めて、クラスメートとか年下の子とか。他の女の子と付き合ったりしてたっぽいけど。最終的に、また柑奈に戻ってきちゃったんだな」
響がニヤッと笑う。
それからあたしを見たまま、廊下を指差した。
「たぶん、俺が柑奈の後ろの席になって拗ねてると思うから、あとでちゃんとフォローしといてね」
「フォロー?」
怪訝に思いながら廊下の方に視線を向けると、いつのまにか迎えに来ていたらしい燿が、無表情でこっちを見ていた。
目が合ってるのににこりともせず、鋭い視線を投げかけてくる燿が怖い。
そっと視線を外したら、響があたしの肩をポンと叩いた。
「俺の弟、泣かせんなよ」
「それ、女の子に言うセリフ?」
呆れ顔で見つめながらそう訊ねたら、響がやけに楽しそうにケラケラと笑ってた。



