オレンジ・ドロップ



燿があたしの話なんてどうでもよさそうな態度をとるから、かーっと頭に血が上る。

「燿の意地悪。だって、さっきあのひとに言ってたじゃない。中途半端な付き合いがどうこうって。あのひとがいるから、あたしのこと振ったんでしょ。響のこと理由にしてたけど、ほんとはあのひとが本命なんじゃないの?それとも、あの綺麗なひともたぶらかしたの?」

「たぶらかすとか、人聞き悪いな」

勢いに任せて喚くあたしを、燿がやっぱり呆れ顔で見つめる。

その顔を睨むように見つめ返したら、燿が不意に、にやりと笑った。


「あぁ、そっか。柑奈、知りたいんだ?俺と美姫さんのほんとの関係」

その言葉に一瞬動揺をみせると、燿がにやりとしながらあたしの耳元に唇を寄せてきた。

間近に感じる燿の息遣いに、ドクンと心臓が高鳴る。


「あの人は、特別なひとだよ」

「え……?」

だけど、熱い吐息とともに聞こえてきた燿の言葉は、あたしの身体を一気に凍りつかせた。