「だって、柑奈がバカなことばっかり言ってるから」
「う、うるさいな。どうせバカだよ。そりゃぁ燿は、ゲームでもやってるみたいで楽しかったよね。燿の一挙一動にドキドキさせられてるあたしを見て、バカだなって思ってたんでしょ?」
「へぇ。一応、俺の一挙一動にときめいてはくれてたんだ?」
精いっぱいに睨んでみたけど、涙に濡れた顔では何の気迫もなかったらしい。
軽くあしらうみたいに燿に鼻で笑われた。
「だって、本気出して落ちなかった女の子、いないんでしょ?」
「それはりぃが勝手に言ってるだけだと思うけど」
「でも、全く嘘ってわけじゃないくせに。さっきのあのひとだって……美姫さん?だっけ。あんなに綺麗な大人の女のひととだって、付き合えちゃうんでしょ。燿にとっては、あたしなんて、あのひととうまく行くまでの遊びだったんじゃない」
「美姫さんとはちょっと顔合わせただけのくせに、すげぇ妄想だな」
恨めしげな視線を向けると、燿が飽きれ顔であたしを見下ろしてまたため息を吐いた。



