駅前の商店街のメイン通りを抜けて脇に入った路地の間で燿が足を止める。
そこは、ひとがふたりで並んで歩くのは少し狭いくらいの細い路地だった。
左右はほとんどが小さな商店で、路地はその裏口に面しているから、人通りが少ない。
燿はあたしの背中を押していた手を離すと、路地の外壁に凭れるようにしてあたしと向き合った。
「柑奈ってさぁ」
首を横に傾げた燿が、下から覗き込むようにあたしをじっと見る。
無表情で、少し不機嫌そうにも見える燿の表情に戸惑っていると、燿があたしの目を真っ直ぐに見つめたまま問いかけてきた。
「ほんとは俺のことが好きなの?」
あまりに突然に、ストレートに核心を突かれて、かーっと頬が熱くなる。
「その反応は、肯定ってこと?」
あたしの反応を確かめた燿の瞳が、愉しげに揺らめいた。
目をそらしてうつむくと、燿が外壁につけていた背を離してあたしと距離を詰めるようにして立つ。
それからあたしの背後の壁におもむろに右手をつくと、少し背中を丸めてあたしに顔を近づけてきた。



