「じゃー、またね」
そう言って手を振って立ち去るのは、今度はあたしの番。
ほんとうに、もうこれで終わりだ。
これ以上泣かないようにと奥歯を噛み締める。
燿と彼女に背を向けて駅のほうへと歩き出そうとすると、背後からガシッと右の肩をつかまれた。
そのまま強い力で引っ張られたかと思うと、否応なく振り向かされる。
そっと視線をあげると、怒ったように顔を強張らせてあたしを睨み下ろす燿としっかり目が合った。
「よ、う……?」
「またね、じゃねぇから。どうして柑奈が泣くんだよ」
「どうして、って……そんなの、説明しなくたってわかるでしょ!朝振られたばっかりなのに、すぐにこんな場面見せられて。簡単に気持ちの整理がつけられるわけないじゃない!!あたしはっ……」
「あー、ちょっとストップ」
頭の中でうまく整理がつかないままに喚くと、燿が不機嫌そうに眉を顰めてあたしの口を手のひらで塞いだ。



