オレンジ・ドロップ




気付いたら、あたしは学校を飛び出して駅に向かって駆け出していた。

人生最高記録かもってくらいの速さで勢いよく走って、学校の最寄駅に辿り着く。

駅の周りには同じ学校の子はもちろん、他の学校の制服を着た子たちが何人もいた。

友達同士で改札を抜けていく子たちもいれば、駅前にあるファーストフードやコンビニに入っていく子たちもいる。

だけど、あたしが見回した限り、駅周辺に燿の姿はない。

奈津が目撃した、美人な大学生と駅から離れたお店にでも行ったのだろうか。

それとも、電車に乗って既に他の場所に移動してしまった……?


焦って奈津からの電話を切ったりせずに、もう少し話を聞けばよかった。

燿は今、どこに誰といて、何をしているんだろう。

美人な大学生と、オトナなデートかな。

考えただけで、胸がつまって悲しくなってきた。

うつむいた目に、じんわりと涙がにじむ。


燿に会いたい。

今すぐ会いたい。

もう間に合わないかもしれないけど、あたしは燿が……