オレンジ・ドロップ



今日は散々な日だな……

ため息をついて立ち上がると、できあがった課題を握りしめて職員室へと向かう。

無事に提出してトボトボと昇降口に向かっていると、奈津から電話がかかってきた。

奈津とはいつも電話よりメッセージのやり取りの方が多いから、めずらしい。

よっぽど大事な用件でもあるのかな。

首を捻りながら、スマホの通話ボタンに触れる。


「もしも――……」
「あ、柑奈?今どこ?まだ学校いる?」

電話に出たら、奈津が畳み掛けるように一気に話しかけてきたから驚いた。


「う、ん……今から出るとこだけど。どうし――……」
「そうなんだ。あたしは今駅前なんだけどね?」

あたしが話し終える前に、奈津が言葉をかぶせてくる。

なぜだか興奮気味な奈津に戸惑いつつ、「じゃぁ、一緒に帰る?」と誘いかけようと思ったら、また彼女のほうが口を開いた。


「柑奈、今はまだ学校ならすぐ出てこないほうがいいよ。あの光景見たら絶対ショック受ける」

「奈津、何の話?」