オレンジ・ドロップ


今ので全部、「おしまい」なの……?


燿があたしにくれた「好き」の言葉も、繋いだ手も、何度か重ねたキスも。

全部、なかったことになる……?

そう思ったら、ここ最近の燿との幼なじみ以上の時間が走馬灯のように一気に思い出されて、胸がキリキリと痛くなった。


燿。

あたしは、全部なかったことにしたかったわけじゃないんだよ。

あたしなんかがおこがましいって思われちゃうかもだけど、ちょっとした駆け引きをしてみたかっただけなんだ。

いつのまにか、燿にぐらりと大きく傾き始めてしまっている自分の気持ちを認めてしまうのが怖くて。

燿が「本気だ」と言ってくれても、その言葉が内心どこか不安で。

そんなときに、燿がゲーム感覚であたしを「落とそう」としてるかもしれないって話を梨里や響から聞いてしまって……

だから、燿のことを試そうとした。

あたしが背を向けても、そう簡単に落ちたりしないってそぶりを見せても、それでも「好き」だと言ってくれるのかなって。