オレンジ・ドロップ



響はちょっと照れくさくなったのか、あたしのつぶやきに反応するかわりに頭を掻く。


「仕方ないから、今日は柑奈と一緒に学校行ってやるよ」

それから、照れ臭さをごまかすみたいにガシッとあたしの肩に腕を載せてきた。


至近距離で触れられて一瞬驚いたけど、これまでみたいに……

というよりは、燿に触れられたときみたいには心臓が跳ね上がらない。

響のこと、大好きだった。

でも、今のあたしからはもう彼への恋心は消えてしまってるみたいだ。

そのことを淋しく思う以上に、なぜだかほっとしていた。


「ちょっと、重いんだけど……ていうか、仕方ないって何?あたし、ひとりで行きたいんだけど……」

「あ、もし燿に見られて、誤解されたらマズい?」

愚痴をこぼしたら、悪戯っぽい目をした響にニヤリと笑われた。