燿がさっき言ってた、梨里と響の甘ったるいであろう日常会話のことを思い出したら、勝手に頬が熱くなった。
ふたりが一緒にいるところはよく見るし、保健室のカーテン越しの怪しい雰囲気は偶然見てしまったことがあるけど。
こんなふうに仲良く寄り添ってるのを目の当たりにするのは初めてだ。
だけど不思議と、響や梨里に対する嫉妬の感情は湧いてこなかった。
それよりも、イチャイチャしてるふたりを見て、あたしのほうが気恥ずかしくてドキドキしてしまう。
ダメダメ、見ちゃダメ!
胸を押さえながら、できるだけ物音をたてないように静かに自分の部屋に近づく。
そのままそーっと部屋のドアを押し開けて中に入ろうとしたとき、偶然にも、梨里と響の会話の内容が聞こえてきた。
「へぇ、そうなんだ?今回は、さすがの燿も必死だね」
「そうそう。側から見てる分にはおもしろいけどな」
梨里が燿の話題を口にしていたから、つい足を止めてしまう。



