結局、あたしは燿の家に上がることはなく家に帰った。
「ただいまー」
玄関を開けると、梨里の靴の横に男物の靴が揃えて並べてあって、響が来てるんだとわかる。
付き合ってることをあたしにバラしてから、梨里と響はその関係をお互いの家でかなりオープンに晒すようになった。
よく、お互いの家に遊びに行ってはふたりだけで部屋にこもっていたりする。
これまではあたしに気を遣ってたのかなと思ったら、なんだかちょっと申し訳ない。
家に上がったあたしは、用意してあったお菓子を摘むと、2階の自分の部屋に向かった。
階段を上がってすぐ目の前があたしの部屋で、その奥が梨里の部屋。
階段を完全に登りきる前に梨里の部屋に何気なく視線を向けると、油断して忘れているのか、半分ほど開いたドアの隙間から梨里と響の姿が見えた。
床に座った響の足の間にすっぽり収まるように座った梨里が背中から抱きしめられているのがちらっと覗き見えてしまって、慌てて視線をそらす。



