ふたりきりの部屋。

手を滑らせて床に落としたスマホ。

それを同時に拾おうとして重なったふたりの手。

顔を上げると同時に目が合って、ドクンと胸が高鳴る。


「ご、ごめん。あのね、(ひびき)……」

「ん?」

ただちょっと首を傾げただけなのに、その仕草がすごくかっこよく見える。

心臓がドキドキして今にも破裂しそう。


告白するなら絶対今だ。

あたしが響に……


「あのね……あたし、響のことが好き。小さいときからずっと」

そう告げたら、あたしを至近距離で見つめる彼が困ったみたいに眉を寄せた。

あたしの告白に、彼はきっと応えてくれる。


「それ、俺が先に言いたかった」なんて言って。

そうしてあたし達は初めての……

キ、キ、キス……とかしちゃったりして。

告白した上に次々と膨らんでいく妄想が相重なって、心臓がもう限界ってくらいバクバクと鳴る。

次にやってくるであろうあまーい展開を予想して、先走って目を閉じる。