「―――私たち、もう終わりにしたいの」



駅のホーム。
いつもの帰りの電車で、先生と同じ方向。



いた。
あれっ??
知らない女の人と話してる。



きれいな人―――



ズキズキした。
痛い。



胸が。



「―――っ!!」



「ごめんなさい」


「じ、冗談だろ」



なんだろう。
別れ話……??
揉めてる???



「なあ、おい」



先生の手が、女の人の腕に回って引き寄せようとする。



「離して」



振り払った弾みで、先生の体がバランスを崩した。



「………っ!?」



女の人も息を飲んだ。