ーside尊ー


正直、遥香の体調をみると実習に出すことは遥香の負担が大きくて、悪化する可能性があるのかもしれない。



でも、俺は実習に行くことを止めることができなかった。




今まで、遥香が頑張ってきた所を見てきたのもあるけど、遥香はこの実習まで自分の命と戦ってきたっていうことが1番大きい。





だからこそ、遥香にもっと学んで充実した2週間を送ってほしい。





少しふらつく足取りで、遥香はスーツに着替えリビングに来た。




そんな遥香の肩を支え、ソファーに座らせた。




「朝ご飯ができるまで、少し休んでな。食欲は大丈夫?」




「あまりない。」





「そっか…。少しでも食べられそうか?じゃないと、1日辛いと思うから。」




「…分かった。」





「お粥でいいかな?」





「うん。ありがとう。」





ソファーでぐったりする遥香を見ていると、今日1日身体がもつか心配が増していった。





それから、お粥を作り遥香に少し食べさせた。




でも、4分の1程度しか食べられずほとんど残してしまった。




でも、少しだけ食べられた遥香の頭を撫でてから食器の片付けをして、俺もスーツに着替え、遥香を車に乗せて病院へと向かった。





車の駐車場には、実習生がたくさんいた。





幸い、千尋ちゃんや大翔君がいてくれるから安心できる。




「千尋ちゃん、大翔君。」




「遥香!?大丈夫!?」




俺が、遥香の体調が悪いことを伝える前に、大翔君が気づいた。




さすが、幼馴染みだよな。




「今日は、遥香の体調があまり良くないから、2人に遥香の様子を注意深く見ていてほしい。いいかな?」




「もちろんです。絶対、目だけは離しませんから。」




「遥香、くれぐれも無理そうだったら、我慢しないで必ず誰かに話すんだよ?」



「うん。」




ずっと俯いている遥香を見ると、相当辛いことが分かる。





「千尋ちゃん、大翔君。くれぐれもよろしくな。」





「「はい。」」