でも、やっぱり尊は気付いていたみたいで、私が安心できるように背中を撫でながら、安楽な呼吸を促してくれた。




「ようやく、落ち着いてきたみたいだな。今回の発作は、長かったから…実習は心配だけど、遥香頑張れそうか?」




「…発作が起きた事考えたら、少し怖い。」





「そうだよな。でも、こっちの方で何か配慮できないか相談してみるよ。」




「え!そんなこと悪いよ!ただでさえ、先生達皆忙しい中、私達のこと受け入れてるんだよ?それなのに、私の事情でそんなことできない。」





「遥香。そんなこと考えなくていいんだよ。俺は、これから医者になる卵を大切に育てていきたい。だから、充実した実習を送ってほしいんだ。誰一人、かけることなく2週間、頑張って欲しいって思ってる。だから、遥香。遥香の配属された先は、整形外科だっただろ?あそこは、呼吸器内科から離れてるから、呼吸器内科にしてもらうようにこっちで調整するから。」





そう。




私の実習先の病院は、尊がいる病院。




尊だけじゃない。




尊のお父さん、それから近藤さんに朝陽先生。




呼吸器内科や、循環器内科で色んな先生に巡り会った。




だから、本当のところ、その方が安心できる。




「尊、お願いしてもいい?」





「いいよ。じゃあ、ゆっくり着替えておいで。」




尊は、私の髪を撫でてからリビングへと向かった。




私は、スーツに着替え、もう1度忘れ物がないか確認をした。




大丈夫。



発作が起きても、自分で対処できるようにしなきゃ。




尊がいてくれる病棟なら安心できるけど、さすがに尊の仕事の邪魔はできない。




私は、尊のいるリビングへと向かった。