狼少年、拾いました。

 「仕方がないだろう。面倒を見たがったのは私ではないぞ。」

 そう返事をしたのは、大きな水瓶を片手でやすやすと持っているスティーヌだ。

 ちなみにもう片方の手には大きな布と、その他諸々の必要なものが乗っている。

 全く何もない、殺風景なあの“部屋”で怪我人を泊めるには、やはりそれなりの準備が必要だった。

 処置の出来るような薬と道具は先程超特急で持ち込み、残りを狭い小屋中からかき集めたところだった。

 「いいなあ、スティーヌは。そんな重いものもかるーく持てるんだから。」

 「当たり前だ。人間とは違うからな。…さて、ぼやぼやしている暇は無いぞ。いつ村人が来るか分からない。」

 苦笑いしながらスティーヌは歩き出そうとしたが、ふと動きを止めた。

 「言っていれば、だ。来客があるぞ。」

ミェルナには見えないところまで目が届くのはさすが人間ではないだけある。