「血の匂いがする。」
* * *
「ほんとにいいの?こんなところで。」
レスクが横になっている寝具の脇にしゃがみこんで尋ねた。
「ああ。まだまだマシな方だぜ?前に止まった安宿はひどくてさ。寝てる間にはいってくるんだよ。」
「え……なにが?」
「トカゲとか、俺の手のひらよりもでっかいクモとか。全っ然寝らんなかった。あ、主人のガキが金をくすねに来た宿もあったしな。」
あの節のある足が首筋を這った感覚を思いだし、ミェルナは軽く身震いした。
「手が止まってるぞ。それに言い出したのはお前だ。」
油を売るミェルナにホウキを持ったスティーヌが声を掛ける。
「ほんとに大丈夫かなって思っただけよ。……もう掃除はこの位で終わりにしましょう。」
あれからスティーヌがすぐさま確認したものの、血のような物騒なものは見当たらなかったのだ。
梯子をおりると想像していたような光景はなく、ただ殺風景な部屋だった。
空気は通ると確認し、しばらくの間この地下室でレスクを休ませようとミェルナが提案したのだった。
* * *
「ほんとにいいの?こんなところで。」
レスクが横になっている寝具の脇にしゃがみこんで尋ねた。
「ああ。まだまだマシな方だぜ?前に止まった安宿はひどくてさ。寝てる間にはいってくるんだよ。」
「え……なにが?」
「トカゲとか、俺の手のひらよりもでっかいクモとか。全っ然寝らんなかった。あ、主人のガキが金をくすねに来た宿もあったしな。」
あの節のある足が首筋を這った感覚を思いだし、ミェルナは軽く身震いした。
「手が止まってるぞ。それに言い出したのはお前だ。」
油を売るミェルナにホウキを持ったスティーヌが声を掛ける。
「ほんとに大丈夫かなって思っただけよ。……もう掃除はこの位で終わりにしましょう。」
あれからスティーヌがすぐさま確認したものの、血のような物騒なものは見当たらなかったのだ。
梯子をおりると想像していたような光景はなく、ただ殺風景な部屋だった。
空気は通ると確認し、しばらくの間この地下室でレスクを休ませようとミェルナが提案したのだった。

