狼少年、拾いました。

 「もう立てるの?」

 突然立ち上がったレスクにミェルナは目を丸くした。

 「ああ。言ったろ、傷の治りが早いって。」

 上の空とまではいかないが何かに気を取られている様子だ。

 「どうした?」

 「どうしたの?」

 スティーヌとミェルナが同時に尋ねる。

 「いや……。」

 上の空で返事をしながら匂いの源の方へ足を進める。

 小さな木の椅子が置かれている窓際で立ち止まった。

 どうやらここの床から漂ってきているようだ。

 目を凝らすと、その辺りだけ木の板の色が違う。

 少し新しいもののようだった。

 「これ、隠し扉だな。」

 「え?」

 「この下から風が吹いてるんだよ。」

 そういうと、レスクはその床に手を掛けた。