狼少年、拾いました。

 琥珀のような黄色い瞳に黒い虹彩があるだけで、白目が見えない。

 まるでいつか森で見かけたオオカミのような目をしていた。

 「……具合は、どう?」

 初めて会った村の外の人間への物珍しさも警戒心も、かすかな恐怖も感じさせないように、努めて平静を装って尋ねた。

 なんだか喉がきちんと開かないような変な感じだ。

 「楽じゃないけど、まあ平気。」

 決して低くはないが響きのある声だった。 
 
 「あんたが、手当てしてくれたのか?」

 「ええ、まぁ…そうよ。」

 いつも通りに話せない自分に気が付いた。

 眠っている間は何ともなかったが、いざ目を覚ますとなぜか勝手に気まずく感じていた。

 この人は自分を見てどう思うのだろう。

 やだな。露骨に嫌な顔されたら。

 今までの村人たちの反応を想像して少し身構えたが、出てきた言葉は想定外だった。

 彼は大口を開けて笑った。

 「ひっでぇなぁ、これ!ガッタガタだぜ?割れた卵の殻みてー!」