あれから月日はあっという間に流れた。
夏、三年生は部活を引退。
葉山と渡先輩は体育館から去った。
部活で仲睦まじい姿を見なくなって心底ホッとした私。
部活がなければ校内で会う事は滅多にない。
私の失恋の傷もすぐに癒える。
…そう思ってたけど、それは思い違いだった。
私の目も耳も葉山を探すのが癖になっていて、その能力は悲しい事に長けている。
夏休みが終わり、二学期が始まると至る所で葉山の姿を見つけた。
登下校中、次の授業の移動中、昼休み。
その隣には必ずと言っていいほど渡先輩がいて、私はその度に胸を痛めた。
忘れたいのに、忘れられない。
私は未練タラタラで、こんな最低最悪な失恋をしてもまだ葉山が好きで。
花梨の言う通り、私は大馬鹿野郎だと自分でも思う。
そんな日々が一ヶ月弱。
いつの間にか景色が秋色に染まった十月の第一土曜日。
細井がウザいほど暑苦しくなりそうな行事がやってきた。
体育祭だ。
天気は見事なまでの快晴。
青空の下、応援団が精一杯声を張り上げカッコ良く応援歌を響かせる。
この日のために応援団は練習を続けてきた。
汗を流し、喉を潰し、応援ダンスで腕が筋肉痛になりながら。
熱き応援団が今までの練習の成果を発揮している最中、私と花梨は保健係の当番で救護テント番をしていた。
「細井のやつ、めちゃくちゃ気合い入ってんじゃん」
「入り過ぎて暑苦しいだけだし」
細井と私の水と油の仲は健在で、細井の話題になるとついふんと鼻を鳴らしたくなる。
「そう言ってないで応援してあげればいいのに」
「応援?私が細井の?」
なんで私があんな奴の応援なんてしてあげなきゃならないのよ。
今回の体育祭だって、無理矢理応援団に入れられそうになった。
なんとかならずに済んだけど、ああいうの本当に迷惑。
熱くなるのは良い。
適当にやる人よりもちゃんと精一杯やる人の方がかっこいいし。
だけど、人に強要するのはどうかと思う。
私は体育祭自体適当にやるつもりはないけど、応援団になるつもりは全くなかった。
夏、三年生は部活を引退。
葉山と渡先輩は体育館から去った。
部活で仲睦まじい姿を見なくなって心底ホッとした私。
部活がなければ校内で会う事は滅多にない。
私の失恋の傷もすぐに癒える。
…そう思ってたけど、それは思い違いだった。
私の目も耳も葉山を探すのが癖になっていて、その能力は悲しい事に長けている。
夏休みが終わり、二学期が始まると至る所で葉山の姿を見つけた。
登下校中、次の授業の移動中、昼休み。
その隣には必ずと言っていいほど渡先輩がいて、私はその度に胸を痛めた。
忘れたいのに、忘れられない。
私は未練タラタラで、こんな最低最悪な失恋をしてもまだ葉山が好きで。
花梨の言う通り、私は大馬鹿野郎だと自分でも思う。
そんな日々が一ヶ月弱。
いつの間にか景色が秋色に染まった十月の第一土曜日。
細井がウザいほど暑苦しくなりそうな行事がやってきた。
体育祭だ。
天気は見事なまでの快晴。
青空の下、応援団が精一杯声を張り上げカッコ良く応援歌を響かせる。
この日のために応援団は練習を続けてきた。
汗を流し、喉を潰し、応援ダンスで腕が筋肉痛になりながら。
熱き応援団が今までの練習の成果を発揮している最中、私と花梨は保健係の当番で救護テント番をしていた。
「細井のやつ、めちゃくちゃ気合い入ってんじゃん」
「入り過ぎて暑苦しいだけだし」
細井と私の水と油の仲は健在で、細井の話題になるとついふんと鼻を鳴らしたくなる。
「そう言ってないで応援してあげればいいのに」
「応援?私が細井の?」
なんで私があんな奴の応援なんてしてあげなきゃならないのよ。
今回の体育祭だって、無理矢理応援団に入れられそうになった。
なんとかならずに済んだけど、ああいうの本当に迷惑。
熱くなるのは良い。
適当にやる人よりもちゃんと精一杯やる人の方がかっこいいし。
だけど、人に強要するのはどうかと思う。
私は体育祭自体適当にやるつもりはないけど、応援団になるつもりは全くなかった。

